【紹介】カフェ・テレモーク

カフェ・テレモーク (Cafe Teremok)

安曇野穂高にある素敵なカフェを紹介します。
JR安曇追分から有明山に向けて走る「有明山通り」の山麓線にぶつかるところに、今回訪れたカフェ・テレモークのお店があります。


安曇野有明の森の木々に囲まれた素敵なカフェです。
2023年10月にオープンしたばかりのお店です。
このお店の特徴は何といってもロシア料理が楽しめるということにあります。


窓辺にマトリョーシカ柄のロシア製のエプロンが吊るしてありました。
店内には木製の壁掛けにも目が留まります。商人や農民の日常生活のシーンを、鮮やかな色彩とコントラストの効いた配色が特徴的です(ゴロジェツ塗りと言われます)。


料理をするのはロシア人の奥さん。
ご主人が優しく見守ります。


カウンター席に置いてあるロシアの代表的民芸品に目が留まりました。
野花や草などが色鮮やかに描かれた大きなトレイとマトリョーシカです。


可愛らしい入れ子人形のマトリョーシカ
ロシア民族衣装を着た女性たちが大小きれいに並んでいます。
開けても開けても出てくるという入れ子になっています。
マトリョーシカはラテン語で「母」を意味する "mater" が由来。
ロシア革命以前、農民女性にとても多い名前だったといいます。
マトリョーシカは大家族の健康的なお母さんを連想させ、子孫繁栄、家庭円満、安産・子宝に恵まれる象徴され、母親がお嫁に行く娘に持たせる縁起物であったのです。


実は、マトリョーシカの由来は一説によると、そのルーツは日本とも言われています。
江戸時代から続く日本の箱根の入れ子人形だったとの説です。
今から100年前、箱根を訪れたロシア人が、名産品の「入れ子人形」をロシアに持ち帰り、この人形をヒントに、ロシアの職人がマトリョーシカを作り上げたと言われています。

 

訪れた3人でランチを注文しました。

Aセット……ブリンチキセット (ロシア風クレープ)
サーモンとチーズ&ジャガイモとマッシュルーム

Bセット……ピロシキセット (ロシア家庭料理)
ライスとネギとバターゆで卵&ジャガイモとマッシュルーム

Cセット……ビーフストロガノフセット
牛肉の生クリーム煮 ジャガイモのピューレ (or ライス)

セットには、それぞれボルシチヴィネグレートサラダ、そして飲み物(コーヒー or 紅茶) が付きました。
折角ですので、飲み物はプラス料金で ロシアンティーを注文しました。

3人で注文したランチ


(左)Aセット (右)Bセット

(左)Cセット (右)飲み物


ロシアンティーにはストロベリーとマーマレードのジャムが付いていました。日本では紅茶の中にジャムを入れて飲むことが多いのですが、本場ロシアでは、ティースプーンにジャムを一杯とり、口に含んでから紅茶を飲むのが一般的だそうです。


店内には名門貴族の方の肖像画が飾ってありました。
アレクサンドル・グリゴリエヴィチ・ストロガノフの肖像です。
(Alexander Grigorievich Stroganov)


ストロガノフ家はロシアの大富豪で、歴史ある名門貴族です。16世紀から20世紀の帝政ロシアにおいて、大商人、企業家、実業家、大地主、政治家を輩出しました。
ストロガノフ家の一族は、芸術、文学、歴史および考古学に関心を示したことが知られていて、膨大な蔵書、絵画、コイン、メダルのコレクション収集で有名です。
特に有名なものに、国立ロシア美術館を構成する建物のうちの一つ、サンクトペテルブルクのストロガノフ宮殿がある。
写真のアレクサンドル・グリゴリエヴィチ・ストロガノフは1839年から1941年にかけて内務大臣を務めていました。

 

ロシア料理ビーフストロガノフについて……
料理の名前は、フランス語や英語では「ビーフストロガノフ」ですが、ロシア語では「牛肉のストロガノフ風」と表記されます。
貴族ストロガノフ家の家伝の1品であったとされています。
アレクサンドル・グリゴリエヴィチ・ストロガノフが開催していた『開かれた食事会』のためにシェフが作ったものだという説があります。シェフが考案した当初はこの料理に名前は無かったのですが、アレクサンドル・グリゴリエヴィチ・ストロガノフが亡くなった後、この料理を大変気に入っていた彼を偲んで、この料理に「ストロガノフ」という名前をつけたというのです。


料理に満足し、帰り際にご夫妻の写真を撮らせていただきました。
安曇野に来て間もないお二人、「安曇野の冬は寒かったでしょう?」と尋ねると、「ロシアの寒さに慣れていますから。是非、寒い冬に料理を楽しみに来てください」と微笑まれました。冬期も営業をされています。


美味しいロシア料理、ありがとうございました。