池田町陸郷(りくごう) にラベンダー園『夢農場』はあります。
水野建設(株) の観光事業部が管理・運営を行っています。
(町営バスも走っており、バス停は「三郷」。ただし運行の本数は限られています。)
池田町の東山に位置し、山麓の4万㎡の広大な斜面一面に、80種類のラベンダーを栽培しています。
ここ池田町陸郷地区は、養蚕で栄えていましたが養蚕業の衰退と共に人口が減少し、桑畑も荒れ地となってしまいました。
養蚕業から建設業へ転業した水野建設株式会社の故・水野龍二が荒れ果ててしまった故郷を蘇らせようと、平成元年から自ら重機を使い荒れ地を耕し、ラベンダーを植栽し夢農場を始めました。
また、夢農場周辺は小鳥が実をついばんで増えた自生の山桜が多いことに気づき、自分も小鳥と一緒に桜を植えようと毎年100~200本の桜を30年以上植栽し続けました。
その結果、今では「西の吉野 東の陸郷」と呼ばれるほどの桜の郷となり訪れたお客様を魅了しています。
自分の生まれた故郷を奇麗にしたいという思いから始まったのが夢農場です。
建設会社の会長が2021年に急逝された後、「花咲かじいさんの遺志を受け継ぎたい」と社長ご夫婦や社員が、クラウドファンディングも行って整備・運営を続けられています。
農場に入るとすぐにお地蔵さんが待っています。
地蔵菩薩はサンスクリット語で「クシティガルバ」と言います。クシティは「大地」、ガルバは「胎内」を意味します。大地のように広い慈悲で人々を包み込んでくださる菩薩様とされています。地蔵菩薩の「地」は、土地に種子をまき草木が成長するように、万物を生ずることを表し、「蔵」はそうした万物を蔵することであるとされています。
六体並んでいる六地蔵は、死後の世界へ旅立つ死者を苦しみから救うための存在とされています。仏教では人の死後、生前の善行や悪行により行く道が六つに分かれていると言われており、死者が生まれ変わる六つの世界全てを巡って救済を行うと考えられています。六地蔵が六体なのは、六つの世界へ赴くためであり、地蔵菩薩が六つの世界へ赴くために姿を変えたものなのです。
六地蔵が可愛らしいので載せておきます。特に左のニ体は面白いです。制作者のユーモアが感じられます。
農場内の説明版より
山の斜面にラベンダーが一面に栽培されていました。
2020年、コロナ禍で十分に畑を手入れできなかった。そのため、ラベンダーが弱ってしまった。
2022年冬、農場の上半分のラベンダーがほとんど枯れてしまった。
2022、23年、捕植作業を継続。
一面ラベンダー色になるには、まだまだ時間がかかりそう。
新しく植えたラベンダー達が元気に育つことを見守りたい。
早咲きのイングリッシュ系ラベンダーは6月中旬から、遅咲きのラバンジン系ラベンダーは7月上旬から見頃を迎えます。訪れる時期によって色や香りの違いを楽しむことができるようになっています。
見頃の時期には、ラベンダー祭りを開催し、ラベンダーソフトクリームの販売やラベンダー摘み、ラベンダースティック作りなどのワークショップ、体験が楽しめます。
今年のラベンダー祭りは 6/1 (土)~7/15 (月) まで開かれています。
農場のラベンダーを見学した後は、楽しみの一つでもある売店へ。
踏切の遮断機が2基おいてありました。路線名が「しあわせ いっちょく線」とあります。
先ほどのお地蔵さんもそうですが、どこか遊び心が垣間見られる思いがしますね。
水野建設(株)の会社案内には
「水野建設が、小笠原家や小田原家のような良家や徳川家の有力家になる事はありません。ですが、” 得たいは知れないが何でもやるし、どこにでも現れる 務を全うする忍者のような組織でありたい " と思っています。」とあります。とてもユニークながらも、常に夢を追い続ける姿が訪問者に喜びと感動をもたらすのだと改めて感じました
これからも夢を与え続けてください。