神竹灯とかぐや姫

神竹灯 (かみあかり)

今年で13回目を迎える神竹灯(かみあかり) を見学に行きました。
今年の開催は11月29日(金)~12月1日(日)、6日(金)~8日(日) の6日間です。
場所は安曇野市穂高神社。

 

神竹灯とは何かについては、昨年の記事を参照してください。
    参照 ▶ 神竹灯について

今回は「かぐや姫」の話題を織り交ぜながら、穂高神社で撮った写真を載せてみたいと思います。ですから、写真と記事内容は直接には連動していません。

 

■ かぐや姫

「今は昔、竹取の翁といふもの有りけり ……」

平安時代初期 (9世紀後半から10世紀初め) に書かれた竹取物語。
現存する日本最古の物語であるといわれています。
「かぐや姫」でよく親しまれている昔話です。

しかし、作者やかぐや姫の正体、ストーリーの背景など、未だ解明されていないことばかり。
結構、謎の多いかぐや姫の物語なのです。

物語については興味深いのですが、物語の内容自体については別の機会に譲ることにして、今回は「かぐや姫」という名前について見ていきたいと思います。

▼ 神楽殿でのライブの様子

「かぐや姫」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
2013年にはスタジオジブリが『竹取物語』を原作にしたアニメーション映画『かぐや姫の物語』を公開しました。

■ フォークグループ「かぐや姫」

南こうせつ、伊勢正三、山田パンダの人気フォークグループで「神田川」(1973年発売)のヒットを生んで有名になりました。
なぜ男3人組なのに「かぐや姫」というネーミングを採用したのでしょうか。

一つは当時、横文字の名前のグループが多かったため、ひらがなの名前をつけて目立ちたかったとのこと。
「かぐや姫」というグループ名から、男3人組のグループだとは思われず、登場するたびにそのギャップが観衆にウケたとか~。

▼ 穂高神社を彩る1万本の竹灯篭

もう一つの理由は
竹やぶの中で蚊に食われながら練習したので、竹やぶから生まれたバンド、ということで「かぐや姫」と命名したといいます。
南こうせつは大分県大分市竹中 (旧:大分郡竹中村) の出身。竹中から連想して竹取物語のかぐや姫を思いついたともいわれています。

▼ 竹灯篭に和傘が似合う

 

■ 物語「かぐや姫」の名前の由来

物語の「かぐや姫」に戻ります。
「かぐや姫」の名前はどこから来たのでしょうか。
これには、いろいろな説があります。

迦具夜比売命 (かぐやひめのみこと)
「古事記」に迦具夜比売命としてその名が記されています。
大筒木垂根王 (おおつつきたるねのみこ) の娘で垂仁天皇 (すいにんてんのう)の妃であるとされています。

富士山の御神体の浅間の大神
白隠禅師 (はくいんぜんじ)「無量寿禅寺草創記」(むりょうじゅぜんじそうそうき) にもかぐや姫についての記述があります。
かぐや姫が富士山の祭神、浅間大菩薩 (せんげんだいぼさつ) であるとの説が書かれています。

光り輝く火の神説
「かぐや姫」の「かぐ」は「火の神」であり、古事記では「火之迦具土神」(ほのかぐつちのかみ) と表記されています。「光り輝く、火、燃える」の意味があります。
京都の京田辺市天王 (きょうたなべしてんのう) 朱智神社 (しゅちじんじゃ) の祭神が「火の神」であり、かぐや姫の里が京田辺だとする説があるのです。

まだ他にもいろいろあります。
・漢語の「赫奕 (かくえき)」から出た「かくや」
・古語の光を意味する「かげ」
・光り輝くという意の「かがよふ」
・陽炎 (かげろう) の意の「かぎろひ」等。

▼ 物語の最後だけ少し~
月を見て物思いにふけるかぐや姫は翁に「月の都の人であること」、「迎えが来たら月へ帰らなければいけないこと」を告げます。
月の都の者に立ち向かおうと帝は兵を集めますが、いざ迎えに来た月の都の王の前では誰もが無力でした。
かぐや姫は翁夫婦と帝に手紙と不死の薬を残し、月へと帰っていきます。
帝は残していった不死の薬を天に最も近い山(不死の山=富士の山)で燃やしたところ、その煙は今も天に立ち昇っている…… ここで物語は幕を閉じます。

▼ 富士山
香具山といえば奈良県にある大和三山の一つで、名勝に指定されていますが、
富士山を「香具山」と呼ぶ場合もあります。
香具山の由来がかぐや姫伝説に関係があるのかないのか・・・
そして、富士山は「不死山」であり、それ故「霊峰」と呼ばれます。
かぐや姫の最後に出てくる不死の薬が富士山と無関係ではなさそうです。

▼ (左) 穂高人形神竹灯特別展示 (右) 竹オブジェ
▼ (左) 神楽殿 (右) 花村佑子ライブ
▼ あづみ野てらす (キッチンカーやブース出店)
▼ (左) ブース出店 (右) 穂高神社社務所前