地元 (安曇野) の桜について、見所をまとめてみました。
▼ ソメイヨシノ (染井吉野)
日本を代表する桜で、最も有名です。
日本固有の桜とされています。
江戸末期~明治初期頃から園芸品種として栽培されており、当時の染井村の植木職人や造園師が、オオシマザクラとエドヒガンを交配させてつくったとされています。
公園や神社、街路樹などあらゆるところに咲いています。
若木のうちからよく花を咲かせ、大きくなることから、盛んに植えられたといわれています。
花は5枚の花びらからなる一重咲き。咲き始めは淡い赤色で、満開になると白色に近い色となります。
日本で栽培されているソメイヨシノすべてがクローン (押し木や接ぎ木などでの繁殖) で増やされたため、一斉に開花するという特徴があります。
桜の開花日を予想する桜前線もソメイヨシノの開花を基準にしています。
大きく横に枝を広げる樹形が特徴です。
葉は花の後に出てきます。満開を過ぎて花が散る頃に若葉が芽吹き始めるのです。
▼ カスミザクラ (霞桜)
葉が出る頃に小さめの白っぽい花が咲く様子が、霞がかったようだということから名付けられました。
ヤマザクラによく似ています。
花や葉の部位が有毛である場合が多いの特徴です。
▼ シダレザクラ (枝垂れ桜)
イトザクラ (糸桜) の別名です。
エドヒガン (江戸彼岸) の変種であると考えられています。
細い枝が柳のように大きく垂れ下がっているのが特徴です。
花びらの色は薄い紅色から濃いピンク色まであり、咲き方も一重咲きから八重咲きまでさまざまです。
垂れ下がる枝の美しさと花びらの愛々しい色合いが京の雰囲気によく似合い、この桜は京都の府花に指定されています。
▼ ヤマザクラ (山桜)
野生種の桜の中でも最も一般的な品種です。
山地に広く自生しており、「山の桜」という意味の名を持っています。
ソメイヨシノが現れる前は、花見といえばヤマザクラだったといわれています。
花と葉が同時に出てくるのが特徴です。
花びらは5枚、淡紅色の花を咲かせますが、色の変異が多く、白色や先端だけ色が濃い花を咲かせる場合もあります。
葉色は赤紫色や褐色など、さまざまに色が変化します。
樹皮は暗褐色から灰褐色、丈夫で加工性が高いので木材としても利用されています。
▼ オオヤマザクラ (大山桜)
ヤマザクラに比べて花や葉が大きいことから名付けられました。
寒さに強く、北海道の山地でもよく見られることから、別名「エゾヤマザクラ (蝦夷山桜)」とも呼ばれています。
花は直径3~5cmになり、花弁はほとんどなく、ソメイヨシノなどと比べて濃いピンク色の花を咲かせます。
樹高は7~15mですが、20m程度まで成長することがあります。
夏になると小さな黒紫色の実をつけ、鳥たちがその実を食べに来ます。
▼ ヤエザクラ (八重桜)
八重咲で咲くため、この名がつきました。
6枚以上の花びらが重なりあって咲いています。
花びらが多く、ゴージャスな花を咲かせます。
▼ エドヒガン (江戸彼岸)
3月20日前後の「春の彼岸」に咲くことが名前の由来です。
農村部など民家の近くに自生していることが多いのです。
桜の中で最も寿命が長いといわれています。
樹高は15~25m、楕円形の葉が特徴です。
花びらは小さく、5枚で一重、色は薄紅色から白に変ります。
花弁の付け根が丸く膨らんでいるのも特徴です。
丈夫で花がたくさん咲くため、多くの品種の母種として使われ、ソメイヨシノの片親としても有名です。
この桜の枝が下垂するものがシダレザクラです。
▼ コヒガン (小彼岸)
マメザクラ(豆桜) とエドヒガン(江戸彼岸) の交雑種と考えられています。
お彼岸の頃に花を咲かせること、花が小ぶりであることが名前の由来です。
花径2cm程度の花を密に咲かせます。
小ぶりな花を枝に密に咲かせるのが特徴です。
(マップの北から、主な場所のコメントを記します。)
池田町の東山に位置する陸郷地区の山間地にあり、自然のままの景観が美しい公園です。
鳥が桜の実をついばんで自生した山桜が山の斜面一帯に広がり、360度 桜に囲まれたお花見を楽しむことができます。
北アルプスの山並みの絶景、安曇野の田園風景と素晴らしい景色が広がります。
鵜山桜並木保存会によって手入れされています。
桜並木の背景に常念岳や有明山などの残雪の山々が眺められます。
周りにはワイン用のブドウ畑が広がっています。
明科を流れる犀川に隣接した公園です。
園内には親水エリアがあり、カヌーが盛んに行われるなど、水を活かした公園です。
「あかしな龍門渕さくらまつり」が開催されたり、ライトアップが実施されます。
穂高川堤防、早春賦(そうしゅんふ)の碑の近くに桜並木があります。
ソメイヨシノが北アルプスを背景にして色鮮やかに咲きます。
ものぐさ太郎の塚と云い伝えられ場所です。隣の松の樹と手を取り合って並んでいる感じです。
樹齢約350年といわれる白馬村の貞麟寺(ていりんじ) 境内にあるエドヒガン紅枝垂れの種子から育てたものです。強靭な生命力と優雅さを兼ね備え、花が大きく紅色の色彩も優美であることが特徴です。
「百楽桜 (ひゃくらくざくら)」と命名されています。
高台から北アルプスを眺めることができます。
道路脇にソメイヨシノが植えられています。
大正天皇即位を記念して植えられた約1500本のソメイヨシノが見事です。
麓から頂上まで登山道を帯のようにピンクに染まります。
山の名前の由来は、鎌倉時代に海野氏 (うんのうじ) の支族が築いた光城 (仁場城) から来ています。
県立こども病院の北側にあります。
拾ヶ堰 (じっかせぎ) は安曇野を代表する用水です。
見事な桜並木の下は芝桜の絨毯になります。
柔らかい桜の花の色、用水の水の色と春の光、彼方に見える雪をかぶった常念岳、素敵な美しい風景の一つになります。
プロカメラマンの故中沢義直(なかざわよしなお)氏が常念岳を望める場所に、サクラと道祖神を設置して絶景スポットを作ってくれたものです。
国営アルプスあづみの公園堀金口ゲート近くにあります。樹齢は不明とのこと。
三郷村合併30周年記念として植えられた150本のソメイヨシノです。
昭和29年(1954年)、温村(ゆたかむら)・明盛村(めいせいむら)・小倉村(おぐらむら) が合併して三郷村が発足しました。昭和59年(1984年)にサクラが植えられました。
桜の開花に関する有名な法則の一つに次のものがあります。
「2月1日から毎日の最高気温を足していき、合計して600度になったときに桜が開花する」
というものです。
桜が比較的気温に正直なために成り立つ法則のようです。
さて、どうでしょうか。
長野県の穂高地点での観測データを載せておきます。
気象庁から発表になった 4/1 までのものです。
開花日を予想してみてください。
下に、4/1 以降のデータも載せておきます。確認してみてください。
▼日本の花
桜は日本の「国花」ですね。日本を象徴する花として定着しています。
ただし、法定による国花はありません。
国民に広く親しまれている「桜」
皇室の家紋のモチーフである「菊」
どちらも事実上の国花として扱われています。
▼長野県の花
長野県のシンボルとなる花 (県花) は何でしょうか?
「りんどう」です。
山地や乾燥した草地で見られます。
昭和41年に県民応募により決定しました。
長野県のシンボルとなる木は「しらかば」
(ちなみに、鳥は「らいちょう」、獣は「かもしか」です。)
▼安曇野市の花
安曇野市の花は「わさび」、安曇野市の木は「けやき」です。
■(参考) 最高気温の観測値
▼穂高地点
▼松本地点