

春の訪れを告げる菜の花。春の風物詩として親しまれています。
「ナノハナ (菜の花)」 は「野菜の花」という意味から付けられました。
厳密には「菜の花」という名前の植物は存在しません。
一般的には、黄色い花を咲かせる「アブラナ科 (油菜科) アブラナ属の花」の総称が「菜の花」です。
アブラナ科の野菜とは、ハクサイ、カブ、ダイコン、コマツナ、ミズナ、チンゲンサイ、キャベツ、ブロッコリーなどです。
ですから、キャベツやハクサイ、ブロッコリーや、長野県でよく食べられる野沢菜の花も「菜の花」になります。
普段、ハクサイの花を「菜の花」と呼ぶことはありません。
では、「菜の花」が総称なら、春の川の土手や畑の中で咲いていて、普通に「菜の花」と呼ばれているものは何でしょう?
それは「セイヨウアブラナ」「セイヨウカラシナ」「アブラナ」の3種類のことです。
「セイヨウアブラナ」「セイヨウカラシナ」どちらも明治以降に海外から日本に入ってきた種類です。
「セイヨウアブラナ」は菜種油を取るため、「セイヨウカラシナ」は食用のために栽培が盛んになりました。
日本には、在来種の「アブラナ」も生息しています。
現在、植物油の原料として栽培されているのはほとんどがセイヨウアブラナで、在来種のアブラナは野菜として生産されることが多くなりました。
その見分け方は難しく、詳しくはここでは省略しますが、タネの色や花びらの付け根にある萼(がく)で分かります。
アブラナ科の植物は4枚の黄色い花びらが十字架の様に見えることから、かつては「十字架科」とも呼ばれていました。


独特のほろ苦さと香りがある菜の花は
免疫力を高め、風邪を予防するカロテンやビタミンCなど様々な栄養素を豊富に含んでいます。
食用以外にも鑑賞用や菜種油採種用などがあります。
詳しい栄養素や調理方法など食用についてはここでは省略します。
俳諧でも、春の風物として愛されています。
江戸時代の俳人の与謝蕪村の一句「菜の花や 月は東に 日は西に」
菜の花の時期のころ、西の空に太陽が沈む夕暮れ時、空は茜色、大地は黄色い菜の花、東に月が見える・・・いいですね~
一面に花を咲かせる「菜の花畑」
全国的にも有名なスポットがありますが
長野県では飯山市の「いいやま菜の花祭り」が有名。
「菜の花ばたけに入り日薄れ~」の『おぼろ月夜(朧月夜)』で歌われた名所です。
さて、安曇野のスポットを見て回りました。
河川沿いの桜並木が満開の花を咲かせると、その下の土手には菜の花が咲いています。
穂高川の河川沿いに桜並木があります。ちょうど早春賦の碑があるところに菜の花が植えられています。
本数こそ多くはないものの、桜とのコラボは見事です。




県立こども病院の隣りにある菜の花畑です。桜並木も素敵な場所です。
畑の遠く向こうに常念岳など北アルプスが見えます。


堀金にある道の駅「アルプス安曇野ほりがねの里」では、休耕田を利用して菜の花が育てられています。
広さおよそ6000平方メートルの休耕田を利用して菜の花を育てています。
残雪の北アルプスやこいのぼりを背景に見事な菜の花が広がっています。




国営アルプスあづみの公園 堀金・穂高地区では、里山文化ゾーン 棚田エリアに菜の花畑が広がっています。
500万本の菜の花の大規模花畑が春の棚田を飾ります。



