チューリップ ①

アルプスあづみの公園のチューリップ ①

 

今回と次回にわたって、アルプスあづみの公園のチューリップに関してお届けします。
掲載したチューリップの写真は、今回、公園で撮影したものです。

 
アルプスあづみの公園のチューリップ

甲信地方最大規模のチューリップ畑が広がります。
2024年の植栽規模は、127品種 29万球 5,500平方メートル。

正面奥に見えるのが北アルプスの常念岳

残雪の北アルプスの常念岳をバックに、チューリップの景色を楽しめるなどの景観が評価され、チューリップの名所全国9位にランクインしました。(NIKKEIプラス1 2022年3月19日付)
そして、4月中旬なら桜の花との共演も楽しめます。(遅咲きのカスミザクラと八重桜あり)

 

国営アルプスあづみの公園
全国の国営公園一覧 (国土交通省)

 

国営公園は全国に17ヶ所あり、「アルプスあづみの公園」はその一つで、2004年7月に開園しました。
国営公園は国が指定・維持管理をします(国土交通大臣が設置)。

国営アルプスあづみの公園中央口

 

チューリップ (Tulipa) とは

ユリ科の球根植物です。
開花時期が3月~5月の春を代表する花です。
約6,500品種以上の種類があります(オランダ王立球根生産者協会登録)。

 

オランダ

チューリップで有名な国はオランダですね。
「花の国」「世界の花屋」とも呼ばれています。

オランダの国花はチューリップ (?)

オランダには国花が定められておらず、正式な国花はありません。
そこで、2023年に一般投票で決めようということになり、チューリップではなく、デイジー(ヒナギク) が選ばれました。
5種類の候補 (自然に咲くもの) の中から5万3000人が選びました。チューリップについては、自生のチューリップがオランダにはないため候補には入らなかったのです。

 

チューリップの産地

それでは、チューリップの原産地はどこでしょうか? オランダ?
そうではありません。
原産地はスペイン・イタリア・トルコ・カザフスタン・イラン・中国・西シベリアなど、北緯40度一帯だと言われています。
中でもトルコから中央アジアのエリアで、チューリップの野生種が多く発見されています。
チューリップはトルコの国花とされています。
そして、16世紀頃、トルコからオランダにチューリップが伝わったとされています。
オランダの気候と土壌がチューリップの栽培に非常に適していたのです。

 

チューリップの語源

トルコ語で、チューリップのことを「ラーレ (Lale)」と言います。
チューリップの語源は、トルコの女性が愛用する「トゥルベント (Tülbent)」に由来します。トゥルベントとは、柔らかな布を意味し、そこからスカーフを指すようになりました。
チューリップの花びらの柔らかな感触が「トゥルベント (Tülbent)」を連想させたのです。
その後、ラテン語で「ツゥーリッパ (Toulipa)」と呼ばれるようになり、それが「チューリップ (Tulip)」に変化したのです。

 

日本でのチューリップ

日本にチューリップが伝わったのは1863年(江戸時代後期)。幕府の遣欧使節がフランスから持ち帰った球根が最初だと言われています。

日本でのチューリップ生産の中心は富山県新潟県
チューリップの球根生産高の世界1位はオランダですが、世界2位は日本。そのほとんどが富山県と新潟県で生産されているのです。
オランダのチューリップの球根生産量は世界シェアの約9割、2位の日本の生産量はオランダの10分の1 とのこと。オランダはずば抜けていますね。
そして、富山県と新潟県ではチューリップを県花として定めています。(ちなみに長野県はりんどう)

 

チューリップは 毒?

きれいな花ですが、チューリップには「ツリピン」という有毒成分が花、茎、葉、球根の全草に含まれているのです。犬が食べてしまうと下痢や嘔吐といった中毒症状を引き起こすとされています。
また、この成分が皮膚につくと炎症を起こしてしまう可能性もあるので注意が必要なのです。

 

こいのぼり

園内では毎年、数多くのこいのぼりが掲げられます。
今年、その中に「信州サーモンのぼり」が登場しました。安曇野市在住の画家 カミジョウミカさんがデザインを手がけたもので、とてもカラフルなドット柄のサーモンのぼりです。北アルプスを背景に悠然と泳ぐ姿を園内で見ることができます。

どこにあるか見つけるのも楽しいですね